RoboCup2017 Nagoya Japan

RoboCup2017 Nagoya Japan(ロボカップ2017)

RoboCup2017 Nagoya Japan(ロボカップ2017)

RoboCup2017 Nagoya Japan
RoboCup2017 > インタビュー

ロボカップ 2017名古屋世界大会
インタビュー #01はこちらから

ソニーコンピュータサイエンス研究所
代表取締役社長
北野 宏明氏

ロボカップ 2017名古屋世界大会
インタビュー #03はこちらから

株式会社アールティ
代表取締役
中川友紀⼦⽒

ロボカップ 2017名古屋世界大会
インタビュー #04はこちらから

千葉工業大学(CIT) 学生 
CIT Brainsチームリーダー
関 遥太氏

ロボカップ 2017名古屋世界大会
インタビュー #05はこちらから

愛知県立大学大学院
Camellia Dragons
日髙 憲太氏

ロボカップ 2017名古屋世界大会
インタビュー #06はこちらから

愛知工業大学 大学院 博士後期課程
AIT Pickers (DERA Pickers)
渡邊 彩夏氏

ロボカップ 2017名古屋世界大会
インタビュー #07はこちらから

玉川大学
チーム「eR@sers」
長瀬夕佳氏

ロボカップ 2017名古屋世界大会 インタビュー #02

ブルームフィールド大学 教授 江口愛美(Amy Eguchi)氏

ロボカップを通して問題解決能力が身につく
ジュニア大会が将来のサイエンティストを育む

米ニュージャージー州ブルームフィールド大学の教授である江口愛美(Amy Eguchi)氏は、長年にわたってロボカップジュニアに携わってきました。ロボカップ国際委員会でジュニア担当副会長をつとめています。ロボカップジュニア国際大会を通して、様々な国の子供たちを見てきた江口氏に教育者の視点から、ジュニア世代の教育とロボカップを聞きました。

■米国のSTEM教育事情

今、日本では2020年に「プログラミング教育」が義務教育に組み込まれる予定で検討が進められています。産業競争力の源泉となるIT業界のハイレベルな人材を育成するには学校教育から取り組むべきという考えです。

- 米国ではもっと早くから取り組みが行われていたのでしょうか。

米国もアセスメントテストに比重を置いてきましたが、プログラミング教育に関してはグローバルに見れば遅れていると感じています。英国が2年前からはじめ、オーストラリアでもSTEM教育の一環としてプログラミングが導入されます。

STEM教育とは、Science、Technology、Engineering、Mathematicsの頭文字をとったもので、科学、技術、工学、数学を意味しています。具体例のひとつがプログラミング教育です。小中学校の義務教育から科学技術開発に関連するカリキュラムを取り入れようという動きです。パソコンやロボットを動かすためのプログラミング教育を小学校からの必須科目として組み込むことが検討されています。WEBエンジニアやロボット技術者など、ITエンジニアが将来的に大きく足りなくなると予想されていることが背景にあります。

- 米国は既に始めている印象があったので意外です

米国は教育要綱などが州ごとに異なります。ニュージャージー州の場合は高校生がひとつのプログラミング/コンピュータサイエンスの科目を履修する必要がありますが、フロリダ州は他国語などの言語のひとつとしてプログラム言語を扱おうという動きもあります。

- スペイン語やイタリア語を選択するように、プログラム言語も言語科目のひとつとして選択できるようにしているということですね。
プログラミング教育は子供たちに大きな影響を与えますか?

ブルームフィールド大学で生徒たちに教えている教育者の立場から言っても、プログラミング教育を通してロボットと触れあうことはとても有益です。「コンピュテーショナル・シンキング」と呼ばれていて、ものごとをロジカルに考えるスキルや問題解決能力が身につくと評価されています。それなのに米国では一律にフォーカスできていない現状については残念に感じています。

- ロボカップ競技に出場するために世界中から子供たちがやってきますが、既に国によってプログラミング教育を導入しているかどうかが、競技の結果に現れているように感じていますか?

コンピュータ教育の一環である「Computing Education」は英国でも数年前から始まったばかりなので、まだそこまでの差をジュニア大会では感じません。
ただ、プログラミングに限らず、小さい頃からやってきたかどうかが差になることは明らかだと思いますので、早く取り組んだ方がいい、という危機感のようなものは感じています。
プログラミング教育において米国は先進国とは言えないと言いましたが、子供たちがロボットやプログラミングに触れる機会は豊富にあります。例えば、私の関わっている私立の学校では、小学校2年生から4年生まで、理科のカリキュラムの中でレゴ(マインドストーム)を使ったプログラミングを教えています。そのため、多くの子供たちが、小さい頃からロボットを使った授業の楽しさを知っています。ロボットの大会は盛んに行われていて、チームで競技に参加している子供達はやっていない子供たちと比較すると、ロジカルな考え方、スケジュール管理や問題解決力などに違いがはっきりでます。

ロボカップジュニア サッカーの様子

- その点、日本でも将来の優秀なサイエンティストを増やすためにはロボットのジュニア競技会が盛んになり、子供たちがプログラム競技に触れあう機会を増やすことが大切ということですね。

■ロボット競技会を通して育まれるスキル

米国では9〜16歳の子供たちを対象にしたファーストレゴリーグ(FLL)という競技大会が盛んです。日本でも大会が行われています。レゴは大きなコミュニティがたくさんあるのでたくさんの情報が入手できるところが良い点です。
たくさんのYouTube動画もアップされていて、仲間もたくさんできると思います。ワールド・ロボティクス・オリンピア(WRO)というロボット競技大会もあり、これも国内大会があります。探せば結構、あるものですよ。
私が教えているアフタースクールでは、5年生を対象にPythonでプログラミングを始めます。この子どもたちは小学校2年生からレゴのロボットでプログラミングをしていますから、Drag and Dropと言われるグラフィックベースのプログラミングからテキスト・コーディングに移行することになります。5年生になるまでにロボットのクラブでレゴのプログラミングをしていた子どもたちは、テキスト・コーディングの理解が早いです。コンピューテショナル・シンキングの考え方とスキルが身についているんですね。Pythonのプログラミングの仕組みが理解できるようになったら、6年生からラズパイ(Raspberry Pi)でロボットのプログラミングを教えています。
ロボットが好きだから競技に出場している子どもたちも多いのですが、みんな熱中してやるので伸びが早いと感じています。そして「あきらめない」という強い精神力も養われます。

- それは競技大会に挑む「真剣さ」と自己研鑽から、でしょうか。

何かゴールがないと誰しも学習を加速させることは難しいですよね。競技に出場すること自体がモチベーションになります。しかし、ロボカップの場合、学習できるのはプログラミングの知識だけではありません。競技に参加するには「この日までにここまではやらなければならない」と様々なプランを立て、スケジュールの通りに準備し、実行していくことが重要です。
ロボカップジュニアではふたり以上のチーム編成が必須となっています。ひとりでは出場できません。ロボット開発はチーム内のメンバーのチカラをあわせて行うものであり、それには仲間とのコミュニケーションやコラボレーションが最も大切だと考えるからです。
問題にぶつかったときの解決能力も求められるでしょう。仲間ともめていては壁を乗り越えることはできません。ロボカップを通じて、ロボット技術以外のソフトスキルやソーシャル能力が育まれます。

ロボカップジュニア オンステージの様子

プレゼンテーション能力も身につきます。ロボカップでは子供達にインタビューを行います。
「どうしてこういうスケジュールで開発したのか」「なぜこのプログラミングを選択したのか」などを深く追求することで、子供たちは「こういう問題があったけれどこう解決した」「ここが難しかった」「ここを改善したらこんな成果があった」というように、説明する能力がついていきます。

- 優勝するために重要なこととはなんでしょうか?

ロボカップジュニアは優秀な賞をとることが最終目的ではないのです。「新しい学びの場に行って、新しい学びをする」という経験が一番大切です。「優勝した」「優勝を逃した」ということではなくて、「こんなことができるようになった」「他のチームはこんな工夫をしてきた」「あの技術はすごいから自分たちでもやってみよう」という気持ちが次に繋がっていくと考えています。
また、ロボカップジュニアはロボカップと一緒に開催されるので、子供たちはロボカップの大きな会場に立ち、トップレベルの技術やスケール感を見ることになります。それを見て「僕たちも将来あんなに凄いことができるようになるかもしれない」と感じる場でもあるのです。だからこそ国際大会はとても特別な存在なのです。

- その他にもロボカップならではの体験はありますか?

私達はスーパーチームと呼んでいるのですが、個々のチームで参加するのとは別に、国の違う2〜3つのチームを集めた混成チームを即席で作って競技する部門があります。会場ではじめて会った子供達がチームを編成して勝利を目指すのです。子供たちにとっては海外の子供たちと交流して、チカラを併せる絶好の機会になります。言語を超えてコミュニケーションをして、ロボット技術の研鑽を行います。このようにロボカップジュニアに出場して得られるスキルは一生涯役に立つものとなると考えています。

- ロボカップ2017名古屋世界大会に来場する読者にひとことお願いします

観に来たときに子供達にぜひ声を掛けてください。
「どうやって作ったの?」「これはどんな技術が使われているの?」など、どんな質問でも結構です。
子供たちは自分たちの作品を自慢したいと思っているので、声を掛けるときっとキラキラした瞳で教えてくれると思いますよ。ただし英語で(笑)。

著者・撮影:ロボスタ 神崎洋治(http://robotstart.info/

[ 江口愛美(Amy Eguchi) 氏 プロフィール ]

ロボカップ国際委員会 ジュニア担当副会長
米ブルームフィールド大学教授

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